【ウイングスパン】戦略が多様化する?ラウンドボーナス選択アレンジ解説
はじめに
「ウイングスパン」は、美しいアートワークと鳥の生態をテーマにしたユニークなゲームシステムで、多くのプレイヤーに愛されています。鳥カードを集めて自分の生態系を作り上げ、食料を集め、卵を産み、様々なアクションを実行していく楽しさは格別です。
このゲームのリプレイ性を高めている要素の一つに、ラウンドごとに変わる「ラウンド終了ボーナス」があります。しかし、何度かプレイしていると、ラウンド終了ボーナスがゲーム開始時にすべて決定されているため、後半のラウンドに向けて特定の種類の鳥や卵の数に偏った戦略になりやすい、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、このラウンド終了ボーナスに少し手を加えることで、ゲームの戦略に新たな選択肢と柔軟性をもたらすアレンジルールをご紹介します。このアレンジにより、プレイするたびに異なる展開が生まれ、より新鮮な気持ちでウイングスパンを楽しむことができるでしょう。
ラウンドボーナス選択アレンジの概要
このアレンジの基本的な考え方は、「各ラウンドの開始時に、そのラウンドの終了ボーナスを複数の候補の中からプレイヤーが選択する」というものです。
元のルールでは、ゲーム開始時に4枚のラウンド終了ボーナスタイルが公開され、これが第1ラウンドから第4ラウンドまでのボーナスとなります。このアレンジでは、これらのタイルをラウンド開始時まで一部隠しておき、そのラウンドに適用するボーナスをプレイヤー間の協議や投票によって決定します。
これにより、プレイヤーは固定されたボーナス目標に向けて一直線に進むだけでなく、そのラウンドで最も自分にとって有利になる、あるいは他のプレイヤーの戦略を妨害できるボーナスを選ぶ、といった新たな判断が求められるようになります。
アレンジルールの詳細解説
このアレンジを行うために必要なものは、ウイングスパンの基本セットに含まれる「ラウンド終了ボーナスタイル」と、それらを一時的に隠しておくための裏向きのカードやトークンなどです(ゲームに含まれる不要なカードの裏面を使っても良いですし、シンプルな紙片でも構いません)。
ゲームの準備:
- 元のルール通り、ラウンド終了ボーナスタイルをすべて集めます。
- これらのタイルをよく混ぜ、内容を見ないまま、山札として裏向きに重ねて置いておきます。
- この山札から、ゲームのラウンド数に応じた枚数+アルファ(例えば、4ラウンド制なら6〜8枚程度)を引いて、候補とします。残りは箱に戻します。
各ラウンド開始時の手順:
- 新しいラウンドが始まるたびに、準備で用意した候補の中から指定された枚数(例:ラウンド数+1枚、または固定で3枚など)を公開します。
- 公開されたタイルの中から、そのラウンドの終了ボーナスとして適用するタイルを1枚選択します。選択方法は以下のいずれかを採用できます。
- 多数決方式: 各プレイヤーが秘密裏に投票したいタイルの番号などを紙に書き、同時に公開します。最も多くの票を集めたタイルがそのラウンドのボーナスとなります。同数の場合は、手番順が最も遅いプレイヤーが決定権を持つ、手番順で解決するなどの方法を事前に決めておきます。
- 手番順選択方式: そのラウンドのスタートプレイヤーから順に、公開されたタイルの中から使用しないタイルを1枚ずつ取り除いていきます。最後に残った1枚がそのラウンドのボーナスとなります。
- スタートプレイヤー決定方式: そのラウンドのスタートプレイヤーが、公開された候補の中から1枚を単独で決定します。
- 選択されなかったタイルは、次のラウンドの候補として残しておくか(選択肢が徐々に減る)、あるいは完全にゲームから取り除くか(選択肢が毎回リフレッシュされる)を事前に決めておきます。リフレッシュする方が毎回新鮮な選択肢が提示されやすいでしょう。その場合、次のラウンド開始時にも新たに山札から候補を引く必要があります。
- 選択されたボーナスタイルをラウンドトラックの現在のラウンドの場所に置き、そのラウンドの終了時ボーナスとして適用します。
プレイへの影響と想定される面白さ:
このアレンジを導入することで、ゲームの展開はよりダイナミックになります。
- 多様な戦略の促進: 毎回異なるラウンドボーナス候補が提示されるため、プレイヤーは場の状況や他のプレイヤーの動向を見ながら、柔軟に戦略を調整する必要があります。「今回は〇〇のボーナスが来たから、このラウンドはあの鳥を出すか」といった判断が生まれます。
- 悩ましさと駆け引き: どのボーナスを選ぶか、あるいは選ばせないか、という選択にプレイヤー間の駆け引きが生まれます。自分の手札や盤面にとって最も有利なボーナスを選びたい一方で、他のプレイヤーに有利なボーナスを潰すことも重要な戦略となります。多数決方式なら「他のプレイヤーはどれを選ぶだろう?」、手番順方式なら「自分が最後に残るならどれが残るだろう?」といった読み合いが発生します。
- リプレイ性の向上: ラウンドボーナスが毎回ランダムな候補の中から選ばれるため、ゲーム開始時のボーナス固定によるマンネリ感が軽減されます。プレイするたびに異なる戦略を試す動機が生まれます。
プレイへの組み込み方と注意点
このアレンジを導入する際は、ゲーム開始前にプレイヤー間で選択方法(多数決か、手番順かなど)と、ラウンド開始時に提示する候補数、選択されなかったタイルの扱い(次のラウンドに持ち越すか、取り除くか)を明確に合意してください。
候補数を増やしすぎると選択が煩雑になりますので、ラウンド数+1枚(例:4ラウンド制なら候補5枚)や、固定で3枚程度が試しやすいでしょう。
バランスへの影響としては、特定のプレイヤーにとって非常に有利なボーナスが選択される可能性も生まれますが、それは元のルールで特定のプレイヤーに有利な初期ボーナスが来るのと同様に、ゲームの多様性の一部と捉えることができます。選択プロセス自体が、そのラウンドの戦略の始まりとなる面白さがあります。
まとめ
ウイングスパンのラウンド終了ボーナスに選択の要素を加えるこのアレンジは、元のゲームの良さを損なわずに、戦略の幅を広げ、ゲーム展開に新鮮さをもたらす方法です。毎回同じような戦略に陥りがちだと感じている方や、ウイングスパンをもっと深く楽しみたいと考えている方に、ぜひ試していただきたいアレンジです。
選択のプロセスにおけるプレイヤー間の駆け引きや、ラウンドごとに変わる目標への適応は、きっと新たなゲームの面白さを発見させてくれるでしょう。ぜひ次のウイングスパンのプレイで、このアレンジを取り入れてみてください。