【パンデミック】ホットスポット対策に！「検疫区域」アレンジ解説
はじめに
協力型ボードゲームの代表作である『パンデミック』は、迫りくる感染の脅威に立ち向かうスリリングな体験が魅力です。しかし、何度もプレイしていると、特定の都市が常に感染のホットスポットになりがちで、ゲーム展開がややパターン化してしまうと感じることもあるかもしれません。また、序盤から特定のエリアの感染が爆発的に広がり、対応が追いつかずに早期に敗北してしまう経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、『パンデミック』のプレイに新たな戦略的な深みを加える、「検疫区域」アレンジルールをご紹介します。このルールは、ゲーム開始時に特定の都市を「検疫区域」として指定することで、その都市への感染マーカーの配置を抑制し、予期せぬ感染爆発のリスクをコントロールすることを目的としています。手軽に導入でき、ゲームの難易度調整や、特定の都市を巡る新たな駆け引きを生み出す可能性があります。
「検疫区域」アレンジルールの概要
「検疫区域」アレンジルールは非常にシンプルです。ゲーム開始前の準備として、プレイヤー全員で相談し、ボード上のいずれか1つの都市を「検疫区域」に指定します。指定された都市には、後述する特別な効果が適用されます。
この特別な効果とは、「感染フェイズ」において、検疫区域に指定された都市に感染マーカーを配置する際に、通常よりも配置されるマーカーの数が少なくなる、というものです。これにより、特定の都市が急激に感染源となるリスクを抑え、プレイヤーチームが他の脅威に対処する猶予を生み出すことが期待できます。
新しいルールの詳細解説
このアレンジルールの具体的な手順と効果は以下の通りです。
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ゲーム開始前の準備:
- 通常通りのセットアップを行います（ボードの準備、プレイヤーの手札配布、初期感染都市の配置など）。
- 初期感染都市の配置が完了した後、プレイヤー全員で相談し、ボード上の都市の中から1つを「検疫区域」に指定します。どの色の都市でも構いません。
- 指定した都市が誰にでも分かるように、目印となるマーカー（例えば、別のゲームの余ったキューブやコマなど）をその都市に置きます。
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ゲーム中のルール適用:
- プレイヤーが手番を終え、「感染フェイズ」に入った際、山札から感染カードを引きます。
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引いた感染カードに記載された都市が、検疫区域に指定されている都市だった場合、感染マーカーの配置数を以下のように変更して配置します。
- 通常、引いた感染カードの都市に既に感染マーカーが0個の場合、その色の感染マーカーを3個置きます。しかし、検疫区域の場合は、3個ではなく1個置きます。
- 通常、引いた感染カードの都市に既に感染マーカーが1個の場合、その色の感染マーカーを2個置きます。しかし、検疫区域の場合は、2個ではなく1個置きます。
- 通常、引いた感染カードの都市に既に感染マーカーが2個の場合、その色の感染マーカーを1個置きます。しかし、検疫区域の場合は、1個ではなく0個置きます。
- つまり、検疫区域に感染マーカーを配置する際は、通常置くべき感染マーカーの数から常に2個減らして配置する（ただし、最低0個）、とシンプルに覚えることもできます。
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アウトブレイクについて: 検疫区域でアウトブレイクが発生した場合、通常通り隣接する都市に感染マーカーが1個ずつ配置されます。この「アウトブレイクによる感染マーカーの配置」には、この検疫区域のアレンジルールは適用されません。検疫効果が適用されるのは、感染カードを引いて直接その都市にマーカーを置く場合のみです。
プレイへの組み込み方と注意点
- 検疫区域の選択: どの都市を検疫区域にするかは、ゲーム開始前の重要な戦略会議となります。感染源となりやすいコネクションの多い都市、あるいは治療薬開発に必要な研究施設を建てたい戦略的な要衝、初期手札の都市カードとの兼ね合いなどを考慮して決めると、より面白くなるでしょう。
- 難易度への影響: このルールは、特定の都市における感染の急激な悪化を抑える効果があるため、標準のルールと比べてゲームの難易度を全体的にやや緩和する方向に働く可能性があります。もし難易度を維持したい場合や、より挑戦的にしたい場合は、検疫区域の効果を「配置数を1個減らす（最低0）」とする、検疫区域の数を減らす（例：ゲーム開始時にランダムなエピデミックカードを1枚公開してその都市にする）、あるいはゲームの途中で検疫区域の効果が失われるなどの調整を加えることも考えられますが、まずは「配置数を2個減らす（最低0）」で試してみるのがおすすめです。
- ゲームバランス: 検疫区域の効果が強力すぎると感じる場合は、例えば「検疫区域にいるプレイヤーは、他の都市への移動アクションのコストが1手番増える」といった制約を設けることで、バランスを調整することも可能です。しかし、まずはシンプルなルールでプレイし、チームとしてどのような戦略が有効かを探るのが良いでしょう。
- 新しい楽しみ方: このアレンジを導入することで、プレイヤー間で「この都市だけは守られている」という安心感が生まれつつも、他の都市への警戒を高めるという、メリハリのあるプレイが生まれる可能性があります。また、検疫区域にした都市をどのように活用するか（研究施設を建てる、ここに集まって手札交換するなど）という戦略的な選択肢も広がります。
まとめ
今回ご紹介した「検疫区域」アレンジルールは、『パンデミック』の基本的なルールを大きく変えることなく、ゲーム展開に新たな要素を加えることができます。特定の都市の感染リスクをコントロールすることで、チームとしてより計画的に、そして柔軟に対応する面白さが生まれるかもしれません。
いつものプレイに新鮮さを加えたい、少しだけ難易度を調整したい、といった際に、ぜひこの「検疫区域」アレンジを試してみてはいかがでしょうか。きっと、また違った『パンデミック』の魅力が発見できるはずです。