【パンデミック】イベントカードに「継続効果」を追加するアレンジ解説
イベントカードに新たな価値を!マンネリ打破のアレンジ提案
協力型ボードゲームの定番である『パンデミック』は、チームで協力して世界の危機に立ち向かう緊張感と達成感が魅力です。しかし、何度もプレイしていると、特定の役割や戦略が固定化され、少しマンネリを感じることもあるかもしれません。
特にイベントカードは、感染拡大を食い止めたり、治療薬開発を早めたりと、非常に強力で頼りになる存在です。通常、イベントカードは一度使うと捨て札となり、その効果は単発で発揮されます。どのタイミングで使うか、あるいは温存しておくか、その判断はゲームの重要な要素の一つです。
今回ご紹介するアレンジは、このイベントカードに、元の使い捨ての効果に加えて、「手札にある間、継続的にプレイヤーに恩恵をもたらす効果」を追加するというものです。これにより、イベントカードの使い道が増え、単なる強力な使い捨てアイテムから、「手札に持っておくこと」自体に価値のある戦略的なリソースへと変化します。
このアレンジを取り入れることで、ゲームに新たな深みが加わり、これまでとは違った戦略や判断が求められるようになります。手軽に導入できますので、ぜひ試してみてください。
「継続効果」アレンジの概要
このアレンジの基本的な考え方は、ゲーム中に登場する各イベントカードに対して、本来のカードに書かれている効果とは別に、「そのカードをプレイヤーが手札に持っている間ずっと有効になる効果」を独自に設定し、追加するというものです。
例えば、「政府の補助金」というイベントカードは、本来「研究基地を建てる際に、手札の都市カードを使用する必要がなくなる」という使い捨ての効果を持っています。このアレンジでは、これに加えて「このカードを手札に持っている間、プレイヤーは移動アクションを1回行うたびに、その都市と同じ地域にある隣接都市にも無料で移動できる(計2都市移動)」といった継続効果を追加するイメージです。
プレイヤーはイベントカードを引いた際、そのカードの本来の使い捨て効果だけでなく、継続効果も考慮して、使うか手札に温存するか、あるいは他のプレイヤーに渡すかを判断することになります。
具体的な継続効果の設定例
継続効果を設定するにあたっては、以下の点に注意すると、ゲームバランスを大きく崩さずに楽しさを追加できます。
- 元の効果より控えめにする: 継続効果は、本来の使い捨て効果ほど強力にしない方が良いでしょう。あくまで「手札に持っていることへのちょっとしたボーナス」程度に留めるのがおすすめです。
- ゲーム全体に影響しすぎない: 特定のプレイヤーだけが圧倒的に有利になるような効果は避けるべきです。
- 元のカードのテーマに関連付ける: 元のカードの効果や名前から連想されるような効果にすると、フレーバーが増してより楽しめます。
以下に、いくつかのイベントカードに対する継続効果の具体例を挙げます。これらはあくまで一例です。ゲームで使う際は、プレイヤー同士で話し合って自由に設定したり、事前にリストを作っておいたりすると良いでしょう。
| イベントカード名 | 元の効果 | 継続効果(アレンジ案) | | :--------------- | :----------------------------------------------------------------------- | :---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | 政府の補助金 | 手札の都市カードなしで研究基地を建てる。 | このカードを手札に持っている間、自分がいる都市から、隣接する都市への移動アクション1回につき、追加で隣接する他の都市に1箇所まで移動できる(合計2箇所まで移動可)。同じ都市を2回移動することはできない。 | | 空輸 | いずれか1つの都市のコマを、任意の都市に移動させる。 | このカードを手札に持っている間、自分の手番開始時に手札が7枚以上ある場合、ゲーム終了時に手札1枚につきボーナス勝利点1点を得る(勝利点要素が追加される場合)。または、このカードを手札に持っている間、アクションを消費せずに手札上限を1枚増やす。 | | 平穏 | 任意の都市1つの感染マーカーを全て取り除く。 | このカードを手札に持っている間、自分がいる都市または隣接都市の感染マーカーを取り除くアクションを行う際、追加で同じ色のマーカーを1個多く取り除ける。 | | 研究者の日 | いずれか1つの治療薬を、手札の都市カード4枚で開発できる(通常は5枚)。 | このカードを手札に持っている間、治療薬を開発する際、必要な同色の都市カード枚数を1枚減らすことができる(最低3枚)。 | | 予期せぬ事態 | 捨て札にある任意のイベントカードを1枚手札に加える。 | このカードを手札に持っている間、感染山札からめくられた感染カードに対応する都市にプレイヤーコマがいる場合、手札を1枚捨ててその感染マーカーの配置をスキップできる。 |
これらの効果は、カードに直接書き込んでも良いですし、別紙にリストとしてまとめておき、参照しながらプレイするのも良いでしょう。元のカードを加工したくない場合は、リスト方式がおすすめです。
プレイへの組み込み方と注意点
このアレンジは、ゲーム開始前の準備として、イベントカードごとの継続効果リストを用意するだけで導入できます。
- 継続効果リストの確認: ゲーム開始前に、今回適用する継続効果のリストをプレイヤー全員で確認します。
- イベントカードの獲得: ゲーム中、イベントカードを引いたり、他のプレイヤーから受け取ったりして手札に加えたプレイヤーは、そのカードに対応する継続効果を得ます。
- 効果の適用: 継続効果は、そのイベントカードが手札にある間、常に有効です。自分の手番中はもちろん、他のプレイヤーの手番中に条件を満たせば適用される場合もあります(例えば「平穏」の例で、他のプレイヤーがマーカーを取り除く際に恩恵を受けるなど)。これは効果の内容によって判断してください。
- 効果の終了: イベントカードを本来の使い捨て効果で使用したり、手札から捨てたり、ゲーム終了時に手札に残っていたりした場合、その瞬間に対応する継続効果は失われます。
注意点として:
- バランス調整: 初めは控えめな効果から試して、物足りなければ調整していくのがおすすめです。強力すぎる継続効果はゲームの難易度やバランスを崩す可能性があります。
- 効果の解釈: 継続効果の内容によっては、細かいルールの解釈が必要になる場合があります。事前にプレイヤー間で合意しておくか、曖昧な効果は避けるようにしましょう。
このアレンジを取り入れることで、プレイヤーは「今すぐ強力な使い捨て効果を使うか」「手札に持っておいて継続的な恩恵を得るか」という新たな選択肢に直面します。特にゲーム序盤で引いたイベントカードをいつまで温存するべきか、感染が差し迫っている状況で継続効果を諦めて本来の効果を使うべきか、といった悩ましさが生まれ、プレイに深みが増すでしょう。
まとめ
今回は、パンデミックのイベントカードに「継続効果」を追加するというアレンジをご紹介しました。
このアレンジにより、普段は使い捨てで終わってしまうイベントカードが、手札にある間もプレイヤーを助けてくれる心強い存在になります。これにより、イベントカードの価値が高まり、それをいつ使うか、誰が持つべきか、といった戦略的な駆け引きがこれまで以上に重要になります。
手軽に試せるアレンジでありながら、ゲームプレイの感触を新鮮なものにしてくれる可能性があります。いつものパンデミックに変化を求めている方は、ぜひ一度、この「イベントカード継続効果」アレンジを試してみてはいかがでしょうか。きっと、新たな発見と協力プレイの楽しさが待っているはずです。