【街コロ】予測不能な展開に?「イベントマス」ルール解説
はじめに:街コロにもう一声の刺激を
『街コロ』は、サイコロを振って自分の街を大きくしていく、手軽で楽しいボードゲームです。シンプルなルールながら、どの施設カードを購入していくか、どのサイコロの出目を狙うかといった戦略性が魅力です。
しかし、何度か遊んでいると、特定の施設カードが強力でゲーム展開がパターン化したり、手堅い戦略が有利になりすぎたりと感じることもあるかもしれません。もう少しランダムな要素や、予測不能な展開があれば、より新鮮な気持ちで遊べるのに、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、『街コロ』に「イベントマス」という要素を追加する新しいルールアレンジをご紹介します。このアレンジを取り入れることで、いつもの『街コロ』に思わぬドラマが生まれ、ゲームの面白さを再発見できる可能性があります。
「イベントマス」ルールとは?
このアレンジの基本コンセプトは、サイコロの出目に対応した特別な効果が発生する「イベント」をゲームに組み込むことです。通常の『街コロ』では、サイコロの出目によって起動する施設カードが決まりますが、このルールでは、それに加えて、出目に対応したイベントがトリガーされるようになります。
これにより、プレイヤーの意思とは無関係に予期せぬ出来事が起こり、ゲームの展開が大きく揺れ動くことになります。安定していたはずの状況が覆されたり、不利な状況から一気に挽回できたりと、最後まで気の抜けない、予測不能なゲーム体験が生まれます。
イベントマスの具体的な準備とルール
このアレンジに必要なのは、少しの準備だけです。元の『街コロ』のコンポーネントはそのまま使用できます。
1. イベントリストの作成
まず、どのようなイベントを導入するかを決め、リストを作成します。これは紙に書き出す、カードに書くなど、参照しやすい形であれば何でも構いません。
イベントはサイコロの出目に対応させます。通常2個のサイコロでプレイする場合、出目は2から12までになります。それぞれの出目に対応したイベントを考えてリスト化します。1個のサイコロで遊ぶ場合は、出目1から6に対応させます。
イベントの内容は自由ですが、ゲームの均衡を大きく崩しすぎない範囲で、以下のような効果が考えられます。
- 例1:出目3「コイン強奪」
- 効果:サイコロを振ったプレイヤーは、他の各プレイヤーから1コインずつ受け取ります。
- 例2:出目7「手札シャッフル」
- 効果:サイコロを振ったプレイヤーは、自分の手札(未建設の施設カード)を全て捨て札とし、山札から同じ枚数だけ引き直します。
- 例3:出目10「全員ボーナス」
- 効果:全てのプレイヤーは銀行から3コインずつ受け取ります。
- 例4:出目12「施設プレゼント」
- 効果:サイコロを振ったプレイヤーは、山札の一番上にある施設カード(ランドマーク以外)をコストを支払わずに獲得し、建設済みとします。
これらの例を参考に、参加者で話し合ってオリジナルのイベントリストを作成するのがおすすめです。イベントによっては、有利なものだけでなく、少し不利になるものや、全員に影響するものなどを混ぜると、より面白みが増します。
2. ゲーム開始時の準備
ゲーム開始前に、作成したイベントリストを全てのプレイヤーが見やすい場所に置いておきます。特別なボードなどを用意する必要はありません。
3. プレイ中のルールの適用
ゲームは通常の『街コロ』と同じ流れで進行します。手番プレイヤーはサイコロを1個または2個振ります。
- サイコロを振る: 手番プレイヤーはサイコロを振ります。
- 出目の確認: サイコロの合計出目を確認します。
- イベント効果の適用: 通常の施設効果の処理を行う前に、その出目に対応するイベント効果を解決します。イベントリストを参照し、対応する効果があればそれを実行します。
- 通常の施設効果の適用: イベント効果の解決後、通常の『街コロ』のルールに従い、出目によって起動する施設カードの効果を解決します。他のプレイヤーの施設効果も、通常通り解決します。
- 以降の通常処理: 通常通り、施設カードの購入や建設、手番の終了を行います。
プレイへの組み込み方と面白さの変化
この「イベントマス」ルールを導入することで、『街コロ』のプレイフィールはどのように変わるでしょうか。
- 予測不能な展開: 最も大きな変化は、ゲーム展開が予測不能になることです。計画通りに進んでいたはずが、思わぬイベントによって状況が一変する可能性があります。これにより、単に効率の良い施設だけを狙うのではなく、どのようなイベントが起きても対応できるような、より柔軟な戦略が求められるようになります。
- 逆転のチャンス: 不利な状況にあるプレイヤーも、強力なイベント効果によって一気に挽回できる可能性があります。これにより、ゲーム終盤まで誰が勝つか分からないスリリングな展開が生まれやすくなります。
- 新しい戦略の誕生: 特定の出目に強力なイベント効果がある場合、プレイヤーはその出目を積極的に狙う戦略を取るかもしれません。サイコロを2個振るリスクを冒して大きな出目を狙ったり、逆に安定した出目を好むなど、通常のプレイとは異なる施設購入の優先順位が生まれる可能性があります。
- ゲームバランスへの影響: イベント効果の強さによっては、元のゲームバランスに大きな影響を与えることがあります。初めて導入する際は、あまりに強力すぎる効果は避け、様子を見ながら調整していくことをおすすめします。慣れてきたら、より大胆なイベントを追加して、思い切った展開を楽しむことも可能です。
まとめ:いつもの街コロに刺激をプラス
この記事では、『街コロ』に「イベントマス」という新しい要素を追加するルールアレンジをご紹介しました。このアレンジは、特別なコンポーネントを用意することなく、紙とペンさえあれば手軽に試すことができます。
いつもの街コロが少しマンネリ化してきたと感じている方、もっと予測不能な展開や逆転劇を楽しみたい方にとって、この「イベントマス」ルールは新しい発見と刺激を提供してくれるかもしれません。
ぜひ、ご自身のグループに合ったオリジナルのイベントリストを作成し、いつもとは一味違う『街コロ』体験を試してみてください。きっと、新たな街づくりの楽しさが見つかるはずです。