【カタン】どこに建てる?新たな価値を生む「建設ボーナス地点」アレンジ解説
カタンの建設に新たな戦略をプラス
ボードゲーム『カタン』では、道や家、都市を建設することがゲーム勝利への重要なステップとなります。しかし、プレイを繰り返すうちに、特定の場所への建設が定石となり、ゲーム展開が似通ってきてしまうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、既存の『カタン』のプレイに新鮮さをもたらすための簡単なルールアレンジ「建設ボーナス地点」をご紹介します。これは、特定の交差点や辺に道や家(または都市)を建設した際に、通常の効果に加えて追加のボーナスが得られるようにするものです。このアレンジを取り入れることで、プレイヤーは従来の勝利点獲得や資源確保だけでなく、ボーナス獲得という新たな視点を持って建設場所を選ぶようになり、ゲームに予測不能な面白さが加わります。
「建設ボーナス地点」アレンジの概要
このアレンジの基本的な考え方は、カタンのマップ上の特定の場所(道の辺や家の交差点)を「建設ボーナス地点」として設定し、そこに初めて道や家(または都市)を建設したプレイヤーに追加の恩恵を与えるというものです。
ボーナスは、資源カードや発展カード、あるいは勝利点など、ゲームの進行に役立つ様々なものに設定することができます。これにより、従来の有利な地形や資源の産出地だけでなく、ボーナス地点の獲得も重要な戦略目標の一つとなります。
アレンジの詳細解説
1. ボーナス地点の決定
ゲーム開始前に、マップ上のいくつかの辺(道が建設できる場所)や交差点(家や都市が建設できる場所)を建設ボーナス地点として決定します。
- 場所の選び方:
- ランダムに選ぶ(例:サイコロなどで決める、カードを引いて決めるなど)。
- プレイヤー間で相談して合意する。
- 特定のルールに基づいて選ぶ(例:港のある地形に隣接する交差点、マップの中央付近の辺など)。
- 場所の数は、ゲームのプレイ時間やプレイヤー数に応じて調整すると良いでしょう。例えば、3~4人プレイなら、辺に3~4箇所、交差点に3~4箇所程度を設定することが考えられます。
- 視覚的な表現:
- 選ばれた建設ボーナス地点には、視覚的に分かりやすいように目印を置きます。例えば、余っている資源コマ、専用のマーカー、色のついたキューブなどを使用できます。これらの目印は、該当する辺の上や交差点の近くに置きます。
2. ボーナス内容の決定
それぞれの建設ボーナス地点で得られるボーナスの内容を決定します。
- ボーナスの例:
- 資源カード: 任意の種類の資源カードを1枚または2枚得る。特定の種類の資源カード1枚を得る。
- 発展カード: 山札から発展カードを1枚引く。
- 勝利点: 勝利点1点を得る。
- ボーナスの設定方法:
- すべてのボーナス地点で同じボーナスにする。
- 地点ごとに異なるボーナスを設定する。
- 建設するもの(道か家/都市か)によってボーナスを変える(例:道の建設ボーナスは資源、家/都市の建設ボーナスは発展カードや勝利点)。
- ボーナス内容も、場所と同様にランダムに決めたり、相談して決めたりすることが可能です。
- ボーナスの視覚化:
- ボーナス地点に置く目印と合わせて、その地点で得られるボーナス内容を示すカードやトークンなどを置いておくと、より分かりやすくなります。
3. ボーナス獲得のタイミングと条件
- プレイヤーが建設ボーナス地点として指定された辺に「道」を初めて建設した際、または指定された交差点に「家」や「都市」を初めて建設した際に、そのボーナスを獲得します。
- 一度ボーナスが獲得された地点からは、目印を取り除きます。同じ地点で複数のプレイヤーがボーナスを得ることはできません。つまり、早い者勝ちとなります。
- 家が都市に建て替えられた場合、既に家でボーナスを得ていれば都市でのボーナスはありません。家を建てる際にボーナスを得ていなかった地点に、直接都市を建てた場合は、家を建てた時と同じボーナスを得られます。
具体的なプレイ例
例として、ある港に隣接する交差点が「建設ボーナス地点」に指定されており、「家を建てたら発展カードを1枚獲得」というボーナスが設定されているとします。
- Aプレイヤーがこの交差点に道を伸ばし、家を建設する権利を得ました。
- Aプレイヤーは手番でこの交差点に家を建設しました。通常の勝利点1点を得ます。
- 加えて、この交差点が建設ボーナス地点であるため、Aプレイヤーは発展カードの山札からカードを1枚引くボーナスを得ます。
- この交差点に置かれていたボーナス地点の目印は取り除かれ、他のプレイヤーはここに家や都市を建ててもボーナスは得られなくなります。
プレイへの組み込み方と注意点
ゲーム開始前の準備
- 通常通りゲームの準備を行います。
- プレイヤー間で合意またはランダムな方法で、建設ボーナス地点とそのボーナス内容を決定します。
- 決定した地点に、分かりやすい目印(マーカーなど)とボーナス内容を示すものを置きます。
プレイ中の適用方法
- プレイヤーは自分の手番で建設を行う際、通常のルールに加えて、ボーナス地点の情報を考慮して建設場所を選択します。
- 建設ボーナス地点に初めて該当する建築物(道または家/都市)を建設した場合、そのプレイヤーは直ちに指定されたボーナスを獲得します。
- ボーナスを獲得した地点の目印は取り除きます。
元のルールとの主な違いとバランスへの影響
- 違い: 建設の目的が、領地拡大や資源確保、勝利点獲得に加えて、「ボーナス獲得」という新しい要素が加わります。
- バランス: 強力すぎるボーナス(例:勝利点2点以上、万能資源複数枚など)を多数配置すると、特定のプレイヤーが早期に有利になりすぎる可能性があります。ゲーム全体のバランスを考慮し、ボーナス内容は控えめに設定するか、配置数を調整することが推奨されます。最初は簡単なボーナス(資源1枚、発展カード1枚など)から試してみると良いでしょう。
- 戦略の変化: 序盤の道の伸ばし方、家を建てる第一候補の場所などが、ボーナス地点の存在によって大きく変わる可能性があります。特定のボーナス地点を巡るプレイヤー間の競争が生まれることも考えられます。
想定される面白さの変化
このアレンジにより、『カタン』のマンネリ感が軽減され、以下のような新しい面白さが生まれる可能性があります。
- 建設の選択肢が増える: 従来の最適な建設地以外にも、ボーナスを狙って敢えてそちら方面へ道を伸ばす、といった選択肢が生まれます。
- 序盤の駆け引きが活発になる: 魅力的なボーナス地点を巡って、序盤からプレイヤー間の競争が激化する可能性があります。
- 多様な戦略が生まれる: 資源産出地を優先する戦略に加え、ボーナス地点の獲得を重視する戦略や、両方をバランス良く狙う戦略など、プレイヤーの選択肢が広がります。
- ゲーム展開の予測が難しくなる: ボーナスによって予期せぬ資源や発展カードが手に入ることがあり、ゲームの流れが変化しやすくなります。
まとめ
今回ご紹介した『カタン』の「建設ボーナス地点」アレンジは、既存のルールに少し手を加えるだけで、ゲームのマンネリ感を解消し、新たな戦略や駆け引きを生み出す可能性を秘めています。
特定の場所への建設に特別な価値を持たせることで、プレイヤーは新鮮な視点を持って盤面と向き合うことになるでしょう。資源の確保だけでなく、どのボーナス地点を優先的に狙うか、そのためにどのような道を伸ばすかなど、これまでとは一味違う判断が求められます。
手軽に導入でき、ゲームの展開に良い刺激を与えてくれるこのアレンジを、ぜひ一度皆さんのカタンプレイに取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見と楽しさが見つかるはずです。