【ドミニオン】戦略の幅が広がる?「公開廃棄場」アレンジ解説
ドミニオンの「廃棄」にもう一つの選択肢を
ドミニオンをプレイされている方にとって、「廃棄」というアクションは非常に重要です。山札の中から不要なカード(多くは銅貨や屋敷)を取り除くことで、山札を圧縮し、強力なアクションカードや財宝カードを効率的に引けるようにするためです。このデッキ圧縮の戦略は、ドミニオンの基本的な楽しみ方の一つと言えるでしょう。
しかし、廃棄は基本的に一度行われると、そのカードはゲームから完全に除外され、二度と使うことはできません。時には、状況によっては後で使いたくなるかもしれないカードでも、デッキを強化するために泣く泣く廃棄するという判断が必要になります。この「一度捨てたら終わり」という性質が、特定の戦略を固定化させてしまう可能性も考えられます。
この記事では、ドミニオンの廃棄に新しい視点を加えるアレンジルール「公開廃棄場」をご紹介します。このルールを取り入れることで、廃棄が単なるデッキ圧縮だけでなく、将来の選択肢を広げるための準備ともなり、ゲーム展開に新しい駆け引きと戦略の幅が生まれる可能性があります。手軽に試せるアレンジですので、ぜひ普段のプレイに変化を加えてみたいという方は参考にしてみてください。
「公開廃棄場」ルールの概要
「公開廃棄場」ルールは、通常ゲームから除外される廃棄カードを、全員が見える特定のエリアに置くように変更するものです。そして、特定の条件を満たした際に、この公開廃棄場に置かれたカードを取得できるようにする、というアレンジです。
これにより、プレイヤーは廃棄する際に「このカードを後で再利用できるかもしれない」ということを考慮に入れるようになります。また、他のプレイヤーがどのようなカードを廃棄したかを確認し、自身の戦略に組み込むといったことも可能になります。
具体的なルールの変更点とプレイ方法
このアレンジを導入する際の具体的なルールと手順は以下のようになります。
- 公開廃棄場の設置: ゲームの準備段階で、各プレイヤーの個人エリアの隣や、場の中央など、全員からよく見える場所に「公開廃棄場」として使用するスペースを設けます。物理的に明確に区別できる場所であればどこでも構いません。
- 廃棄カードの移動先変更: ゲーム中にカードを廃棄する場合、そのカードはサプライや個人の山札/手札/捨て札からゲームから除外されるのではなく、この新しく設けた「公開廃棄場」に表向きに置かれます。どのプレイヤーがどのカードを廃棄したかに関わらず、すべての廃棄カードはこの一つの公開廃棄場に集まります。
- 公開廃棄場からのカード取得: プレイヤーは、自分の購入フェイズ中に、サプライにあるカードを購入するのと同じタイミングで、この公開廃棄場に置かれたカードを取得する選択肢を持つことができます。
- 公開廃棄場からカードを取得するには、そのカードのサプライでのコストと同じ数のコインを支払う必要があります。
- 取得したカードは、そのプレイヤーの捨て札置き場に置かれます。
- 購入フェイズ中に公開廃棄場から取得できるカードの枚数は、通常の購入枚数(基本的には1枚)に含まれます。つまり、通常購入と合わせて合計1枚(またはそれ以上、カード効果による)のカードを取得できます。
例えば、あなたが手札の銅貨を廃棄する場合、その銅貨はゲームから除外されず、公開廃棄場に置かれます。他のプレイヤーは、自分の購入フェイズに、公開廃棄場にある銅貨をコスト0コインで取得し、捨て札に置くことができます。また、もしあなたが強力なアクションカード(例:魔女、属州など、サプライでのコストがあるカード)を廃棄した場合も、それは公開廃棄場に置かれ、他のプレイヤーは自分の購入フェイズにそのカードのコストと同じコインを支払うことで取得できるチャンスが生まれます。
プレイへの組み込み方と面白さの変化
この「公開廃棄場」ルールは、ゲーム開始前の準備段階で公開廃棄場となるエリアを確保しておくだけで、すぐに導入できます。プレイ中、カードを廃棄する際はそのカードを公開廃棄場に置くことを忘れないように注意してください。
元のルールとの主な違いは、「廃棄」が単なる「捨てる」行為から、「共有プールに一時的に置く」行為に変わる点です。これにより、以下のような面白さの変化が生まれる可能性があります。
- 廃棄戦略の多様化: これまで躊躇していた強力なカードの廃棄が、後で再利用できる可能性を考えると、より積極的に行えるようになるかもしれません。例えば、序盤に高コストの強力なカードを一度廃棄し、山札を圧縮してから、終盤に改めて公開廃棄場から取得して一気に勝負を仕掛ける、といった戦略が考えられます。
- 相手の戦略を読む: 相手がどのカードを公開廃棄場に置いたかを確認することで、相手のデッキ圧縮の意図や、後で何を狙っているかを推測する手がかりになります。相手が廃棄した強力なカードを先回りして取得し、相手の目論見を阻止する、といった駆け引きも生まれるでしょう。
- 低コストカードの意外な価値: 銅貨や屋敷といった通常は廃棄されるカードも、公開廃棄場にあることで、後で手軽に再利用できる選択肢となります。特に、特定のコンボに必要な基本カードをあえて一度廃棄し、必要な時に拾い直す、といった使い方も考えられます。
- ゲームバランスへの影響: このルールは、特に強力なカードを安価に再利用できる状況を生みやすいため、ゲームバランスに影響を与える可能性があります。もし、特定のカードの取得が強すぎると感じた場合は、公開廃棄場からの取得コストを少し上げる(例:コスト+1コインなど)といった調整を加えてみるのも良いかもしれません。
このアレンジによって、デッキ構築のプロセスがよりダイナミックになり、プレイヤー間の相互作用が増えることが期待できます。
まとめ
この記事では、ドミニオンに新しい戦略と駆け引きをもたらす「公開廃棄場」アレンジルールをご紹介しました。廃棄されたカードを完全にゲームから除外するのではなく、全員が利用可能な公開エリアに置くことで、廃棄が単なるデッキ圧縮だけでなく、将来を見据えた手札管理や相手の動向を読むための重要な要素となります。
このアレンジは、特別なコンポーネントを追加する必要がなく、既存のドミニオンのセットで手軽に試すことができます。「最近ドミニオンのプレイが少しマンネリ化してきたな」「いつものデッキ圧縮戦略以外のことも試してみたいな」と感じている方は、ぜひ次回のプレイでこの「公開廃棄場」ルールを取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと、いつもとは一味違ったドミニオンの面白さを発見できるはずです。