【ドミニオン】山札が空になるのが待ち遠しい?「空山札ボーナス」ルール解説
はじめに
ドミニオンは、毎回異なるサプライの組み合わせで新鮮なプレイが楽しめますが、何度もプレイしていると、特定の強力なカードばかりが人気を集め、サプライの枯渇パターンがある程度固定化されてしまうことがあるかもしれません。また、ゲームの終盤、特に勝利点カードを巡る駆け引き以外に、もう少し違った刺激が欲しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事でご紹介するのは、そんなドミニオンのプレイに新たな視点と駆け引きを加える「空山札ボーナス」というルールアレンジです。サプライの山札が空になるという、普段はゲーム終了条件に関わるだけの出来事に、ささやかながらも嬉しいボーナスを与えることで、ゲーム全体の戦略に深みと多様性をもたらすことを目指します。手軽に導入できるアレンジですので、ぜひお試しください。
「空山札ボーナス」ルール概要
このアレンジは非常にシンプルです。ゲーム中にサプライの山札が1つ空になるたび、その山札を空にしたプレイヤーに、あらかじめ決められた小さなボーナスを与えるというものです。
これにより、単にカードを購入・獲得するだけでなく、「この山札を空にすればボーナスが得られる」という新たな目標や動機が生まれます。特に、普段はあまり注目されないカードの山札にも価値が生まれ、ゲーム全体の戦略の幅が広がる可能性があります。
ルールの詳細解説
「空山札ボーナス」ルールの具体的な内容は以下の通りです。
1. ボーナスの種類と設定
ゲーム開始前に、サプライに並べられた各山札(または特定の山札のみ)に対して、山札が空になったときに得られるボーナス効果を決めます。ボーナスはシンプルで強力すぎないものが適しています。例えば、以下のような効果が考えられます。
- +1コイン: そのターンの購入フェイズで使用できる+1コインを得ます。
- +1カード: デッキからカードを1枚引きます。
- +1アクション: そのターンのアクション回数を1増やします。
- +1購入: そのターンの購入回数を1増やします。
- 手札を1枚廃棄: 手札からカードを1枚選んで廃棄できます(呪い山札などと組み合わせると面白いかもしれません)。
サプライごとに異なるボーナスを設定しても良いですし、カードタイプ(財宝、アクション、勝利点など)ごとに共通のボーナスを設定しても分かりやすいです。例えば:
- 財宝カードの山札(銅貨、銀貨、金貨など)が空になったら: +1コイン
- アクションカードの山札が空になったら: +1アクション
- 勝利点カードの山札(屋敷、公領、属州など)が空になったら: +1購入
- 呪いカードの山札が空になったら: 手札を1枚廃棄
ボーナスの種類は、プレイするサプライの内容や、ゲーム全体のバランスを見ながら調整してください。最初はシンプルな効果から試すことをお勧めします。あまりに強力なボーナスを設定すると、その山札の取り合いが激しくなりすぎたり、ゲームバランスが崩れたりする可能性があるためです。
2. ボーナスを得るタイミングと対象
サプライの山札から最後のカードが取り除かれ、その山札が空になった「直後」に、その「山札を空にしたプレイヤー」がボーナスを得ます。
例えば、プレイヤーAが購入フェイズでアクションカード「鍛冶屋」の最後の1枚を購入して山札が空になった場合、プレイヤーAはその鍛冶屋の山札に対応するボーナス(例: +1アクション)をすぐに得ることができます。このボーナスはそのターンの残りのフェイズ(この例では購入フェイズですが、もしアクションフェイズ中に山札を空にした場合はその後のアクションや購入に影響します)で使用できます。
3. 視覚的な工夫
どの山札にどのようなボーナスが設定されているかを分かりやすくするため、各山札の横に小さなチップやマーカー、メモなどを置いておくと良いでしょう。これにより、プレイヤーは常にどの山札を空にすることで何のボーナスが得られるかを確認できます。
プレイへの組み込み方と注意点
準備段階
ゲームのセットアップ時、サプライに王国カード10種類(基本ゲームの場合)と基本の財宝・勝利点・呪いカード山札を並べた後、各山札に対応するボーナス効果を設定します。どの山札にどのボーナスを与えるかを決めたら、プレイヤー全員が確認できるように明示しておきます。
プレイ中
ゲーム中は、誰かの手番中に山札が空になったかどうかを全員が注意して確認します。山札が空になったら、該当するプレイヤーが設定されたボーナス効果をすぐに適用します。元のルール通り、3つの山札が空になった時点でゲーム終了条件を満たしますが、このアレンジではそれまでの過程でも山札枯渇に価値が生まれます。
元のルールとの主な違いと影響
- 終盤の駆け引き: 通常はゲーム終了を早める目的で山札枯渇を狙いますが、このアレンジでは枯渇そのものにメリットがあるため、戦略的に特定の山札を枯渇させに行く選択肢が生まれます。
- 多様な戦略: 普段はあまり枯渇しない安価なカードや、特定のデッキ構築では不要になりがちなカードの山札にも、ボーナス目当てで価値を見出す可能性があります。
- ゲーム速度: ボーナスの種類にもよりますが、特にアクションや購入が増えるボーナスがあると、ゲームの展開が少し速まる可能性があります。
バランスに影響を与える可能性があるため、最初は控えめなボーナス設定から始めることをお勧めします。ボーナスの種類や効果の大小で、ゲームの展開やバランスを調整することができます。
まとめ
今回ご紹介した「空山札ボーナス」アレンジは、ドミニオンの基本要素である「山札の枯渇」に焦点を当てることで、ゲームプレイに新鮮な刺激を加える試みです。
このアレンジを導入することで、プレイヤーは単に強力なカードを集めるだけでなく、「どの山札をいつ空にするか」という新たな戦略的な判断を迫られることになります。普段とは違う山札に注目したり、終盤の山札枯渇を巡る駆け引きがより面白くなったりといった効果が期待できます。
準備も簡単で、特別なコンポーネントも必要ありません。いつものドミニオンに少し変化をつけたい、新たな戦略の可能性を探求したいという方に、ぜひ一度試していただきたいアレンジです。この「空山札ボーナス」が、あなたのドミニオン体験をさらに豊かなものにする手助けとなれば幸いです。