【ドミニオン】王国カードに「分岐効果」を追加するアレンジ解説
ボードゲーム「ドミニオン」は、サプライからカードを購入してデッキを強化していく楽しさが魅力です。しかし、何度も同じセットアップで遊んでいると、特定の王国カードの使い方が固定化してしまい、少しマンネリを感じることもあるかもしれません。
この記事では、そんなドミニオンのプレイに新しい刺激を加えるため、「王国カードの分岐効果」というアレンジルールをご紹介します。このルールを導入することで、使い慣れたカードに新たな選択肢が生まれ、ゲーム展開に予測不能な面白さが加わります。
「分岐効果」アレンジの概要
このアレンジは、ドミニオンの各王国カード(アクション、財宝、勝利点カードなど、サプライに置かれるカード全般を指します)に対して、元のカード効果とは異なるもう一つの「分岐効果」を事前に設定するというものです。
プレイヤーが手札から対象の王国カードをプレイする際、通常のカード効果を使用するか、あるいは設定された「分岐効果」を使用するかを選択できるようになります。これにより、同じカードでも状況に応じて全く異なる使い方が可能となり、戦略の幅が大きく広がります。
新しいルール「分岐効果」の詳細
基本的なゲームの流れはドミニオンの通常のルールと同じです。異なるのは、王国カードをプレイする際のアクションフェイズにおける選択肢です。
- 分岐効果の設定: ゲームを開始する前に、サプライに並べる各王国カードに対して、それぞれ独自の「分岐効果」を設定します。これはプレイヤー間で事前に話し合って決めるか、あるいはランダムに設定するなどの方法があります。設定する分岐効果は、元の効果と同等か、あるいは少し異なる方向性の効果にするとバランスが取りやすいでしょう。
- カードのプレイ時: 手札からアクションカードなどの王国カードをプレイする際、プレイヤーはそのカードの「元の効果」を使用するか、事前に設定された「分岐効果」を使用するかを宣言し、その効果を実行します。
- カードの処理: 効果を実行した後のカードの処理は、選択した効果によって異なります。
- 「元の効果」を選択した場合、そのカードは通常のルール通り捨て札置き場に置かれます。
- 「分岐効果」を選択した場合、その分岐効果の内容にカードの処理方法が明記されている場合はそれに従います(例:「このカードを追放する」「このカードを廃棄する」など)。特に指定がない場合は、通常のルール通り捨て札置き場に置かれます。
具体的な分岐効果の例
いくつかの王国カードを例に、分岐効果のアイデアをご紹介します。これらはあくまで例ですので、自由に新しい効果を考えてみてください。
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鍛冶屋(コスト4・アクション):
- 元の効果: +3カードを引く。
- 分岐効果例: このカードを追放する。サプライにあるコスト3以下のカードを1枚獲得し、手札に加える。
- 解説: 通常は手札を増やすカードですが、分岐効果を選ぶことで即座に低コストのカードを手に入れて展開を早めることができます。
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村(コスト3・アクション):
- 元の効果: +1カード、+2アクション。
- 分岐効果例: このカードを廃棄する。+4アクションを得る。
- 解説: 手札を減らす代わりに大量のアクションポイントを得る選択肢です。デッキ圧縮も兼ねられます。
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市場(コスト5・アクション):
- 元の効果: +1カード、+1アクション、+1購入、+1コイン。
- 分岐効果例: このカードを追放する。サプライにある財宝カードを1枚獲得し、手札に加える。
- 解説: 様々な効果を持つ強力なカードですが、分岐効果を選ぶと即座に手札に財宝を加えてコインを増やすことができます。
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銀貨(コスト3・財宝):
- 元の効果: +2コイン。
- 分岐効果例: このカードを追放する。山札の上から2枚を見て、1枚を捨て札にし、1枚を山札の一番上に戻す。
- 解説: 財宝カードにも分岐効果を設定できます。コインを減らす代わりに、デッキの操作を行う選択肢です。
プレイへの組み込み方と注意点
このアレンジを試す際は、以下の点を考慮するとスムーズにプレイできるでしょう。
- 分岐効果リストの作成: ゲーム開始前に、サプライに置く王国カードごとにどのような分岐効果を設定するかを決めてリスト化しておくと、プレイ中に迷いにくくなります。簡単な紙にカード名と分岐効果を書いておくだけでも十分です。
- バランスの調整: 最初から凝った効果を設定するのではなく、既存の効果と比べて強すぎたり弱すぎたりしない、シンプルな効果から試してみるのがおすすめです。プレイしながら効果を調整していくことも可能です。
- 忘れずに選択する: アレンジに慣れるまでは、カードをプレイするたびに「元の効果にするか、分岐効果にするか?」と声に出して確認し合うと良いでしょう。
- 視覚的な工夫: もし可能であれば、各カードの横に分岐効果が書かれたトークンやメモを置いておくと、視覚的に分かりやすくなります。ただし、コンポーネントを加工する必要はありません。
このアレンジを導入することで、ドミニオンのプレイはより戦術的になり、選択肢の多様さが増します。例えば、「鍛冶屋」を通常のドローソースとして使うか、それとも序盤のキーカード確保のために分岐効果を使うか、といった新たな悩みが生まれます。場の状況や手札、相手の動きを見て、最適な方を選ぶ判断力が試されるようになります。
まとめ
ドミニオンの王国カードに「分岐効果」を追加するアレンジは、手軽ながらもゲームに深みと変化をもたらす面白い方法です。使い慣れたカードが全く新しい役割を担う可能性を秘め、マンネリを感じていたプレイに新鮮な刺激を与えてくれます。
特別なコンポーネントは必要なく、ルールを少し追加するだけで試すことができますので、ぜひ次のドミニオン会でこの「分岐効果」アレンジを試してみてはいかがでしょうか。きっと、同じ王国カードでも以前とは違った視点でゲームを楽しめるようになるはずです。