【カタン】資源カードが手札に溜まらない?「資源保管制限」アレンジ解説
カタンの資源管理に新たな風を
ボードゲーム『カタンの開拓者たち』、通称『カタン』は、サイコロの出目によって資源を獲得し、それを使って開拓地や都市を建設していく面白さが魅力です。繰り返し遊ぶ中で、特定の資源を計画的に溜め込んで一気に建設を進める、といった戦略を取られる方も多いかもしれません。
しかし、時には資源が手札に溜まりすぎてしまい、サイコロの「7」が出た際に半分失うリスクが高まったり、特定の資源ばかりが増えてしまったりすることもあります。また、常に豊富な資源を抱えているプレイヤーがいる一方で、資源が不足しがちなプレイヤーがいるなど、資源の手札状況がゲーム展開をやや一方的にしてしまうケースも見られます。
そこで今回は、カタンの資源管理に少しだけ変化を加え、ゲーム展開に新たな駆け引きと戦略をもたらす「資源保管制限(手札上限)」アレンジをご紹介します。このアレンジは、既存のコンポーネントを一切加工することなく、簡単なルール変更で導入できます。
「資源保管制限(手札上限)」アレンジの概要
このアレンジは非常にシンプルです。各プレイヤーが手札として持つことができる資源カードの枚数に上限を設けます。この上限は、通常の「サイコロの出目が7の時に手札が7枚以上なら半分捨てる」というルールとは別に適用されます。
資源カードの上限枚数を決めることで、プレイヤーは計画的に資源を使う必要性が高まります。単にサイコロで得た資源を溜め込むだけでなく、「今持っている資源で何ができるか」「どの資源なら手札に残しておけるか」といった判断が重要になります。
具体的なルールと手順
「資源保管制限」アレンジを導入する際の手順とルールは以下の通りです。
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上限枚数の設定: ゲーム開始前に、全員で合意の上、資源カードの手札上限枚数を決定します。上限の決め方にはいくつか方法があります。
- 方法A:資源の種類ごとの上限
- 例:「木材、レンガ、小麦、羊、鉱石」の各種類につき、手札に持てる上限を3枚または4枚とする。
- 方法B:合計枚数の上限
- 例:手札にある資源カードの合計枚数の上限を8枚または10枚とする(通常の7枚ルールとは異なる上限値を設定します)。
推奨としては、まずはお試しで「方法A:各種類上限4枚」や「方法B:合計上限10枚」から始めてみるのが良いでしょう。慣れてきたら上限値を厳しくするなど調整してみてください。
- 方法A:資源の種類ごとの上限
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資源獲得時の処理: サイコロの出目や発展カードの効果、交易などによって資源カードを獲得する際、新しい資源カードを受け取った結果、手札の枚数(または種類ごとの枚数)が設定された上限を超えてしまった場合、超過した分の資源カードは獲得できません。それらのカードは、銀行(山札)に戻します。
- 例(方法A:各種類上限4枚の場合): 現在、手札に木材が3枚あるプレイヤーが、サイコロの出目によって木材を2枚獲得できる状況になったとします。この場合、上限が4枚なので、手札の木材が3枚から4枚になる分の1枚だけを獲得でき、残りの1枚は銀行に戻します。
- 例(方法B:合計上限10枚の場合): 現在、手札に合計9枚の資源カードがあるプレイヤーが、サイコロの出目によって資源を3枚獲得できる状況になったとします。この場合、合計上限が10枚なので、3枚のうち1枚だけを獲得でき、手札合計が10枚になります。残りの2枚は銀行に戻します。
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交易時の処理: プレイヤー間の交易や、港での交易を行う際も、交易後の手札が上限を超えないように注意が必要です。
- 他のプレイヤーから資源カードを受け取る場合、受け取った結果手札が上限を超えるなら、その交易は行えません(または、上限を超えない範囲でのみ受け取れます)。
- 港での交易で資源カードを交換する場合も同様に、交換後の手札が上限を超えるなら、その交換は行えません。
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建設や発展カード使用時の処理: 資源カードを消費して建設したり、発展カード(例:独占、街道建設)を使用したりする際は、通常通り手札から資源カードを支払います。資源カードが減る分には上限は関係ありません。
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サイコロの「7」が出た時の処理: このアレンジは、通常の「サイコロの出目が7で手札が7枚以上のプレイヤーは手札を半分捨てる」というルールとは別個に適用されます。資源保管制限の上限に関わらず、手札が7枚以上であれば、7の出目が出たときに手札の半分を捨てなければなりません。
プレイへの組み込み方と想定される面白さ
この「資源保管制限」アレンジを導入することで、以下のような変化が生まれる可能性があります。
- 計画的な資源利用の促進: 資源を無計画に溜め込むことが難しくなるため、獲得した資源を計画的に使い切る、あるいは必要な資源だけをピンポイントで集める、といった戦略の重要性が増します。手札の上限を常に意識しながらプレイすることになります。
- 交易の活性化: 特定の種類の資源が上限に近づくと、獲得しても捨てざるを得なくなります。そうなる前に、手札にある資源を他のプレイヤーと交易したり、港で交換したりするインセンティブが高まります。これにより、プレイヤー間のインタラクションが増え、交易の駆け引きが面白くなる可能性があります。
- ゲーム展開の流動性向上: 特定のプレイヤーが圧倒的な資源を溜め込んで一気に勝利に近づく、といった展開が抑制されやすくなります。資源の手札状況が比較的平準化されることで、より多様な戦略が生まれ、ゲーム展開が予測しにくくなる可能性があります。
- サイコロ「7」のリスク管理の変化: 上限があるため、手札が異常に多くなる状況は減ります。これにより、サイコロの「7」が出た際のリスクを管理しやすくなるという側面もあります。しかし、同時に、上限近くまで資源を持っていると、資源獲得のチャンスを逃しやすくなるという別のリスクも生まれます。
このアレンジは、特別なコンポーネントを必要とせず、すぐに導入できる手軽さが魅力です。手札の資源をどう管理し、いつ使うか、そして他のプレイヤーとどう交易するか、といったカタンの基本的な要素に新たな深みを与えることができます。
まとめ
今回ご紹介した「資源保管制限(手札上限)」アレンジは、カタンの資源管理に新鮮な視点をもたらします。資源を溜め込むだけでなく、効率的に使い切る、あるいは積極的に交易を行うといった、これまでとは異なる戦略が有効になる可能性があります。
いつものカタンプレイが少しマンネリに感じてきた、資源の手札状況でゲーム展開が固定化されがちだとお感じの方は、ぜひ一度このアレンジを試してみてはいかがでしょうか。簡単なルール変更一つで、カタンの奥深さを再発見できるかもしれません。