進化するボードゲーム

【カルカソンヌ】タイル選びが変わる？「偵察ミープル」ルール解説

マンネリ解消！カルカソンヌに新しい戦略をプラス

世界中で愛されているボードゲーム『カルカソンヌ』は、タイルを配置して地形を広げ、ミープルを置いて得点を競うシンプルながら奥深いゲームです。しかし、繰り返しプレイしていると、時には「タイルの引き運に左右されすぎる」「定番の強い地形にミープルを集中させる」といった、ある程度決まった展開になりがちだと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、そんなカルカソンヌのプレイに新しい風を吹き込む、ミープルを使った簡単なアレンジルール「偵察ミープル」をご紹介します。このルールを取り入れることで、タイルを引く楽しさが増し、より戦略的なプレイが可能になります。

「偵察ミープル」ルールとは？

通常、カルカソンヌのミープルは、自分が配置したタイルの上に置き、その地形（城、道、修道院など）が完成した際に得点を得て手元に戻ってきます。未完成の地形にミープルを置いたままゲームを終了すると、完成していれば部分点が、完成していなければ0点となります。

「偵察ミープル」ルールは、このミープルの使い道に新しい選択肢を加えるものです。手番でタイルを配置した後、通常の「ミープルを置く」アクションを行う代わりに、未完成の地形に「偵察ミープル」としてミープルを置くことができます。この「偵察ミープル」としてミープルを置くことで、次の自分の手番のタイルを引く際に、通常とは異なるメリットを得られるようになります。

「偵察ミープル」ルールの具体的な手順

「偵察ミープル」ルールは、カルカソンヌの基本ルールに以下の変更と追加を加える形で実施します。

1. アクションの選択肢の追加:

   • 通常の手番は「タイルを引く」→「タイルを配置する」→「ミープルを置く（または置かない）」→「得点計算（地形が完成した場合）」→「次のプレイヤーへ」という流れです。
   • 「偵察ミープル」ルールでは、「ミープルを置く（または置かない）」のアクションの代わりに、手元にあるミープルを1個、未完成の地形のタイル上に「偵察ミープル」として置くという選択肢が追加されます。

2. 「偵察ミープル」として置ける場所:

   • 「偵察ミープル」は、自分の色のミープルがまだ置かれていない、かつ未完成である以下のいずれかの地形のタイル上に置くことができます。
     • 未完成の城のタイル上
     • 未完成の道のタイル上
     • 修道院のタイル上（修道院は完成してもミープルが戻ってくる性質上、常に未完成の状態として扱います）
   • 既に誰かのミープル（通常のミープル、または他のプレイヤーの偵察ミープル）が置かれている地形には置けません。
   • 草原に「偵察ミープル」として置くことはできません。

3. 「偵察ミープル」を置いた効果:

   • 自分の手番で「偵察ミープル」を置いたプレイヤーは、次の自分の手番の開始時に、山札からタイルを3枚引き、その中から好きなタイルを1枚選んで手札に加えることができます。
   • 選ばなかった残りの2枚のタイルは、山札の底に戻します。
   • この効果を得た後、通常の手番通り、選んだタイルを配置し、ミープルを置く（または偵察ミープルを置く）、得点計算を行う、と進めます。

4. 「偵察ミープル」の回収:

   • 「偵察ミープル」として置かれたミープルがある地形が完成した場合、その地形に置かれていた全てのミープル（通常のミープル、偵察ミープル含む）は、得点計算後に手元に戻ります。偵察ミープルとして置かれていたミープルが手元に戻っても、既に発動した（次の手番でタイルを3枚引ける）効果が失われることはありません。
   • ゲーム終了時に「偵察ミープル」が置かれた地形が未完成だった場合、そのミープルは手元に戻らず、得点計算の対象にもなりません（通常ミープルが未完成地形に残った場合と同じ扱いです）。

5. 「偵察ミープル」の数:

   • 各プレイヤーは、同時にフィールド上に1個だけ「偵察ミープル」としてミープルを置くことができます。2個目を置きたい場合は、既に置いている偵察ミープルが手元に戻る必要があります。

プレイへの組み込み方と面白さの変化

この「偵察ミープル」ルールは、ゲーム開始前の準備は通常のカルカソンヌと全く同じです。プレイ中に、ミープルを通常通り使うか、それとも次のタイルの選択肢を増やすために偵察ミープルとして使うか、という新しい判断が加わります。

このルールによる面白さの変化:

• タイル運の影響を軽減: 次に引くタイルを複数から選べるため、全く地形に繋がらないタイルばかり引いてしまう、といった不運をある程度回避できるようになります。計画的な地形形成が進めやすくなる可能性があります。
• 戦略の幅が広がる: 重要な地形を完成させたいが、手元にミープルが少ない場合や、どんなタイルが来ても対応できるように準備したい場合に、偵察ミープルを置くという選択肢が生まれます。通常のミープル配置か、偵察ミープルか、というジレンマが生まれます。
• 計画性の向上: 偵察ミープルを置くことで、次の手番の展開をある程度予測できるようになり、より長期的な計画を立てやすくなります。どの地形に偵察ミープルを置くか、いつ置くか、といった判断が重要になります。
• ゲーム展開の変化: タイル運に左右されにくくなることで、プレイヤーの戦略や判断がより結果に繋がりやすくなり、定番とは異なる意外な展開が生まれやすくなる可能性があります。

バランスとしては、偵察ミープルを置くことで手元のミープルが1個減るため、その手番で地形を完成させて得点する、という機会を放棄することになります。しかし、次の手番で有利なタイルを引ける可能性が高まるため、その見返りが十分にある状況では強力な選択肢となります。特に、修道院のような、いつ完成するかわからない地形に置いておくことで、気長にタイルの選択肢を増やす、といった使い方も考えられます。

まとめ

『カルカソンヌ』に「偵察ミープル」ルールを導入することで、単なるタイル配置とミープル置きだけでなく、次に備える「偵察」という新しいアクションが加わり、ゲームに戦略的な深みが生まれます。タイルの引き運に悩まされることが多いと感じていた方も、このルールを試してみることで、計画通りに地形が繋がる喜びや、より能動的なゲーム展開を楽しめるようになるはずです。

手軽に試せるこのアレンジルールで、ぜひ『カルカソンヌ』の新しい面白さを発見してみてください。いつものプレイが、きっとより新鮮で楽しいものになるでしょう。