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【カルカソンヌ】修道院完成が終盤の戦略に?「指導者ミープル」配置アレンジ解説

Tags: カルカソンヌ, アレンジルール, 修道院, 終盤戦略, 追加得点

「カルカソンヌ」は、タイルを配置してマップを広げ、地形を完成させてミープルを配置・回収していくシンプルなゲームですが、その奥深さに多くのファンが魅了されています。特に、修道院は周囲8マスを囲むようにタイルが配置されると完成し、ミープルを回収して9点を得られる、小さながら重要な得点源です。

ゲーム序盤から中盤にかけては完成させやすい修道院も、終盤になるにつれて、必要なタイルがなかなか引けなかったり、既に配置された地形に阻まれたりして、完成が難しくなることもあります。

今回ご紹介するアレンジは、そんな修道院の完成に新たな価値を加え、特にゲーム終盤における戦略に深みを持たせるものです。手軽に取り入れられるにもかかわらず、プレイ感に新鮮さをもたらす「指導者ミープル」配置アレンジについて解説します。

「指導者ミープル」配置アレンジの概要

このアレンジでは、通常のルールに加えて、修道院を完成させた際に特別な「指導者ミープル」をその修道院タイル上に配置できるようになります。この指導者ミープルは、ゲーム終了時に追加の得点をもたらす役割を果たします。

修道院を完成させることの魅力が増し、どの修道院に指導者ミープルを置くか、そしてその周囲をどのように発展させるか、といった新しい戦略が生まれるようになります。

詳細解説:ルール変更点と必要なもの

このアレンジを始めるために特別な準備はほとんど必要ありません。カルカソンヌの基本セットがあれば実施できます。

必要なもの

ルール変更点

  1. 修道院完成時の追加アクション: プレイヤーが修道院を完成させ、その修道院タイル上に配置していたミープルを回収し、通常の9点を得た後、追加のアクションを行います。
  2. 指導者ミープルの配置: 修道院を完成させたプレイヤーは、自分の指導者ミープル(または指定のマーカー)を1つ、完成させた修道院タイル上に配置します。
  3. 指導者ミープルの永続配置: 配置された指導者ミープルは、ゲーム終了時までそのタイル上に残り続けます。ゲーム中の他のアクション(タイル配置、ミープル配置、得点計算など)には影響せず、他の地形を完成させるためにカウントされることもありません。

ゲーム終了時の追加得点計算

ゲームが終了し、通常の得点計算(未完成の地形の得点を含む)が全て完了した後、このアレンジによる追加の得点計算を行います。

具体的なプレイ例

例として、ゲーム終了時にある修道院タイル上にプレイヤーAの指導者ミープルが置かれているとします。その修道院タイルの周囲8マスを確認したところ、以下の状況でした。

この場合、プレイヤーAは自身の指導者ミープルから、自身が完成させた地形のみを参照して追加得点を得ます。

合計で、この指導者ミープルから 2 + 4 = 6点の追加点を得ることになります。プレイヤーBが完成させた地形や、まだ完成していない地形は、この指導者ミープルからの追加得点には影響しません。

もしプレイヤーAが複数の指導者ミープルを配置していれば、それぞれの指導者ミープルについて個別に計算し、合計したものが最終的な追加点となります。

プレイへの組み込み方と注意点

このアレンジを導入する際は、以下の点を参加者全員で確認しておくとスムーズです。

まとめ

今回ご紹介した「指導者ミープル」配置アレンジは、カルカソンヌの修道院完成という既存のメカニズムに、ゲーム終了時の追加得点という新しい要素を加えるものです。

これにより、修道院は単なる途中得点源としてだけでなく、終盤の追い上げや得点最大化のための「拠点」としての役割も持つようになります。どの修道院を完成させて指導者ミープルを置くか、そしてその周囲に自身の地形をどのように配置していくか、といった新しい戦略的な思考が生まれ、プレイに新鮮さをもたらします。

手軽に試せるアレンジですので、「いつものカルカソンヌに少し変化を加えたい」「終盤にもう少し戦略的な要素が欲しい」と感じている方は、ぜひこの「指導者ミープル」配置アレンジを試してみてはいかがでしょうか。新たな発見と楽しみが待っているかもしれません。