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【アークノヴァ】初期手札が新たな目標に?「個人目標カード」アレンジ解説

Tags: アークノヴァ, アレンジルール, ボードゲーム, ルール変更, マンネリ解消

アークノヴァの初期戦略に新鮮さを加えるアレンジ提案

世界中の動物園を運営し、評判と学術貢献度を高めて勝利を目指す人気ボードゲーム『アークノヴァ』。プレイする度に異なるカードの組み合わせや相手の動向によって様々な戦略が生まれる奥深いゲームですが、繰り返し遊ぶうちに「初期手札の良し悪しで序盤の展開がある程度決まってしまう」「特定のカードの引きに依存しがち」と感じることもあるかもしれません。

この記事では、そうしたマンネリ感を解消し、アークノヴァの初期手札の悩みを「新たな戦略目標」へと変える手軽なアレンジルール、「個人目標カード」をご紹介します。このアレンジは、大きなルール変更や特別なコンポーネントを必要とせず、すぐに試すことができます。

「個人目標カード」アレンジの概要

「個人目標カード」アレンジとは、ゲーム開始時の初期手札として配られたカードの中から、任意の1枚を「自分の個人目標」として設定するルールです。この目標として設定したカードに記された内容に関連する特定の条件を満たすことで、ゲーム中に一度だけボーナスを得ることができます。

これにより、初期手札のカードを単なる「これからプレイする候補」として見るだけでなく、「目標達成のヒント」や「特別なボーナス獲得の鍵」として評価する視点が加わり、序盤の戦略構築に新たな奥行きが生まれます。

「個人目標カード」アレンジの詳細解説

このアレンジを導入する手順と具体的なルールは以下の通りです。

  1. ゲーム開始時の準備:

    • 通常通り、各プレイヤーは初期手札として8枚のカードを受け取ります。
    • その後、各プレイヤーは受け取った8枚の手札の中から、任意のカードを1枚選び、「個人目標カード」として自分のプレイヤーボードの脇など、他のプレイヤーにも見える場所に表向きに置きます。
    • このカードは、ゲーム終了時の得点計算やプレイ中の使用(手札に戻してプレイするなど)には使えなくなります。あくまで「目標」を示すマーカーとして機能します。
    • 残りの7枚のカードが、そのプレイヤーの初期手札となります。
  2. 目標達成の条件:

    • 個人目標カードとして選んだカードの種類や内容に応じて、目標達成条件を設定します。手軽さを重視するため、ここでは以下のいずれかのシンプルな条件を推奨します。

      • 条件A: 生物カードの場合
        • その個人目標カードに描かれている特定の生物の名前と同じ名前を持つ生物カードを、自分の動物園にプレイした時に目標達成となります。
        • 例: 個人目標カードが「ベンガルトラ」の場合、手札から「ベンガルトラ」カードをプレイして動物園に配置した時点で達成です。
      • 条件B: スポンサーカードの場合
        • その個人目標カードに記されているいずれか1つのタグ(アイコン)を含む生物カードまたはスポンサーカードを、自分の動物園にプレイした時に目標達成となります。(協力タグを除く)
        • 例: 個人目標カードが「保護団体」で、このカードに「鳥タグ」「草食タグ」が含まれている場合、手札から「フラミンゴ(鳥タグ)」をプレイした時点、または「研究支援者(科学タグ)」をプレイした時点などで達成となります。ただし、個人目標カード自身のタグは含みません。
      • 条件C: 両方のカードに共通で使える条件
        • その個人目標カードに記されているいずれか1つのタグ(アイコン)に関連する種類の動物を、累計で3頭、自分の動物園にプレイした時に目標達成となります。(協力タグを除く)
        • 例: 個人目標カードが「砂漠研究者」で「砂漠タグ」を含む場合、自分の動物園に累計で3頭の「砂漠タグ」を持つ動物(例: フェネック、ミーアキャット、サバンナシマウマなど)をプレイした時点で達成となります。
    • どの条件を採用するかは、ゲーム開始前にプレイヤー間で合意して決定してください。手軽さでは条件A、初期手札の選択肢の幅広さでは条件BやCが考えられます。

  3. 目標達成時のボーナス:

    • 目標を達成したプレイヤーは、ゲーム中に一度だけ、以下のいずれかのボーナスを得ることができます。どのボーナスにするかも、ゲーム開始前にプレイヤー間で合意して決定します。

      • ボーナス例1: 魅力点トラックを2マス進める。
      • ボーナス例2: 評判トラックを1マス進める。
      • ボーナス例3: 任意の種類のトークン(Xトークンは除く)を合計3個得る(例:コイン2個と学生1人、または[休止]トークン3個など)。
      • ボーナス例4: 山札からカードを2枚引く。
      • ボーナス例5: アクションカード1枚のレベルを、使用時に1段階だけ無料でアップさせる(消費されない)。
    • シンプルさを重視し、ボーナスは上記のいずれか固定とするのが分かりやすいでしょう。例えば、「目標達成時には魅力点トラックを2マス進める」のように決めておきます。

    • 目標達成の条件を満たした場合は、そのアクションの解決直後にボーナスを得ます。
  4. 達成済みの目標カード:

    • 一度目標を達成したら、その個人目標カードはそのままプレイヤーボード脇に置いたままですが、それ以降、そのカードから追加のボーナスを得ることはありません。

プレイへの組み込み方と想定される面白さの変化

この「個人目標カード」アレンジは、ゲーム開始前の手札配布後に「個人目標カード」を1枚選ぶという簡単な手順で導入できます。

主な違いとしては、初期手札が1枚減る代わりに、特定の条件達成を目指すモチベーションが生まれる点です。どのカードを個人目標にするか、そして残った7枚の手札でどのように目標達成を目指すか、あるいは目標はあくまで副次的なものとして、いつもの戦略を優先するかといった判断が加わります。

特に初期手札に、単体では少し使いにくいが個人目標カードにすると達成しやすそうなカードや、逆に強力だが目標にするのはもったいないと感じるカードがある場合、そのカードの価値評価が変わり、手札選択に悩ましさが生まれます。

また、他のプレイヤーがどのカードを個人目標に設定したかを見ることで、そのプレイヤーが序盤にどのような方向を目指そうとしているのか、ある程度予測できるようになるかもしれません。

このアレンジによって、以下のような変化が期待できます。

まとめ

『アークノヴァ』は非常に完成度の高いゲームですが、少しの変化を加えることで、また違った角度からの面白さを発見できる可能性があります。「個人目標カード」アレンジは、初期手札という誰にでも共通する要素に焦点を当て、手軽に導入できる点が魅力です。

いつものプレイに少し新鮮さを加えたいと感じている方は、ぜひ次回のプレイでこの「個人目標カード」アレンジを試してみてはいかがでしょうか。思わぬカードがあなたの動物園を成功に導く鍵となるかもしれません。