【世界の七不思議】時代の終わりにサプライズ?イベントカード追加アレンジ解説
ボードゲーム『世界の七不思議』は、手軽ながら奥深い戦略と、毎回異なる組み合わせで楽しめるカードドラフトが魅力のゲームです。しかし、繰り返しプレイしていると、特定の戦略が有利になりやすかったり、時代の流れがある程度予測できてしまったりして、少しマンネリを感じることもあるかもしれません。
この記事では、そんな『世界の七不思議』に新しい刺激を加えるため、「時代の終わりにイベントカードを追加する」アレンジ方法をご紹介します。このアレンジを取り入れることで、予測不能な要素が加わり、これまでとは異なる展開や戦略が生まれる可能性があります。
このアレンジの概要
このアレンジは非常にシンプルです。各時代(I、II、III)が終了し、軍事力の解決と勝利点の計算を行う前に、その時代の「イベントカード」を1枚公開し、書かれている効果をすべてのプレイヤーに適用するというものです。
イベントの効果は、例えば「特定の資源の価格が変動する」「特定の種類の建物にボーナスが付く」「全員がコインを得る/失う」など、その時代のプレイに影響を与えるような内容を想定しています。これにより、次の時代のカード選択や戦略を考える際に、新たな要素を考慮する必要が出てきます。
アレンジの詳細と手順
1. イベントカードの準備
まず、イベントカードとして使用するカードまたはトークンを用意します。公式コンポーネントを使う必要はありません。例えば、使っていない進歩トークンや、小さな紙片などを用意し、それぞれの裏面に時代(I, II, III)を、表面にイベント効果を記入します。
各時代ごとに、いくつか異なる効果のイベントカードを作成することをおすすめします。例えば、時代I用に3種類、時代II用に3種類、時代III用に3種類といった具合です。これにより、どのイベントが発生するかがプレイごとに変わり、リプレイ性が高まります。
イベント効果の例:
- 時代I用イベント例:
- 「資源の供給過多」: 基本資源(木材、石材、粘土、鉱石)を産出する建物を持っているプレイヤーは、所有する基本資源建物の数x1コインを得る。
- 「隣人との交流促進」: このターンに限り、隣接する文明との資源取引コストが0になる。ただし、取引できるのは各プレイヤーからそれぞれ1つの資源までとする。
- 「建築ラッシュの前兆」: 時代IIの青い民間建物(勝利点)を建築する際のコストが、木材と粘土についてのみ1割引になる(0にはならない)。
- 時代II用イベント例:
- 「科学の発見」: 科学シンボルを2種類以上持っているプレイヤーは、対応する発見トークンを1つ得る(通常ゲーム開始時にランダムで配られるもの)。
- 「ギルドの結束」: ギルドカードを1枚以上持っているプレイヤーは、そのギルドカードの勝利点とは別に、ギルドカード1枚につき1勝利点を得る。
- 「軍事拠点整備」: 時代IIIの赤い軍事建物を建築する際のコインコストが半分になる(端数切り上げ)。
- 時代III用イベント例:
- 「商業の繁栄」: 黄色い商業建物を最も多く持っているプレイヤーは3勝利点を得る。同数の場合は該当者全員が得る。
- 「文化遺産の保護」: 青い民間建物(勝利点)を合計勝利点が最も高くなるように持っているプレイヤーは4勝利点を得る。同数の場合は該当者全員が得る。
- 「資源価格の急騰」: 完成した七不思議の段階に資源コストが含まれている場合、その七不思議の段階につき1勝利点を得る。
これらの効果はあくまで例です。ゲームバランスを大きく崩さないよう、プレイヤー間で極端な有利不利が生じにくい効果を考えるのがおすすめです。最初はシンプルで全員に影響がある効果から試してみてください。
2. ゲームへの組み込み手順
- ゲームのセットアップは通常通り行います。
- 作成した各時代のイベントカード山札(例:時代I用3枚、時代II用3枚、時代III用3枚)をそれぞれよくシャッフルし、裏向きにして準備しておきます。
- 時代Iのプレイが終了し、軍事力の解決を行う前、または行った後(プレイヤー間で事前に決めておきますが、軍事力解決の直後が流れとしては自然です)に、時代Iのイベントカード山札からカードを1枚引いて公開します。
- 公開されたイベントカードの効果を、すべてのプレイヤーに適用します。効果が一時的なものか、その後のゲーム全体に影響するものかは、事前に効果内容を決める際に明確にしておきます。
- 通常通り、次の時代(時代II)の準備を進めます。
- 時代II、時代IIIについても、それぞれの時代終了時に同様にイベントカードを1枚引いて効果を適用します。
プレイへの組み込み方と注意点
- 準備の注意点: イベントカードの効果は、ゲームの面白さを増すためのスパイスです。あまりに強力すぎたり、特定の文明や戦略を極端に有利/不利にする効果は避けた方が、バランスの取れたゲームを楽しめます。まずは簡単な効果から試してみて、徐々に調整していくのが良いでしょう。
- プレイ中の変化: イベントカードの効果が公開されることで、プレイヤーは次の時代のカード選択や戦略を急遽変更する必要が出てくる可能性があります。例えば、「科学の発見」イベントが出たら、次の時代で科学シンボルを持つカードを積極的に狙う、といった判断が生まれます。予測していなかった展開が、ゲームに新しい刺激をもたらします。
- バランスへの影響: このアレンジは、運の要素を多少加えるものです。しかし、全員に同じ効果が適用されるため、極端な不公平感は生まれにくいと考えられます。もし特定の効果が強すぎると感じたら、次回プレイ時にはそのカードを抜いたり、効果を調整したりしてみてください。
- 想定される面白さの変化:
- 予測不能性: 時代の終わりに何が起こるか分からないドキドキ感が生まれます。
- 戦略の柔軟性: 状況に応じて戦略を臨機応変に変える必要が出てきます。特定の戦略だけに固執するリスクが高まります。
- リプレイ性の向上: 同じ文明、同じ初期手札の組み合わせでも、イベントによってゲーム展開が大きく変わるため、繰り返しプレイしても飽きにくくなります。
まとめ
『世界の七不思議』に「時代の終わりにイベントカードを追加する」アレンジは、手軽に導入できるにも関わらず、ゲームに新しい予測不能性と戦略の幅をもたらす可能性を秘めています。特定の戦略への偏りをなくし、毎回新鮮な気持ちでゲームに臨むことができるでしょう。
簡単な紙片とペンさえあればすぐに試せますので、『世界の七不思議』のプレイが少しマンネリ化してきたと感じている方は、ぜひ一度このアレンジを試してみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見と楽しみがあるはずです。